富山から電車 バスで有峰 折立へ。太郎平から槍ヶ岳への長い長いコースです。
関西方面からはどのアルプスに行くにも時間がかかります。登山口に辿り着くまで一苦労。
薬師沢小屋の夕食の岩魚は前の川で釣られたとか、なかなかお肉にありつけない奥深い山では貴重な動物性たんぱく質です。
この頃リュックの中には牛肉の大和煮缶 ウィンナーソーセージ ゆで卵 きゅうり レモン 果物 乾パン 缶ジュース 缶みかん そして命をつなぐ遭難用のチョコレートと水。重い補助食料が詰まっていました。
ほとんど重い物は夫のリュックの中でしたが 他にシュラフやコッヘル ナンヤカンヤで夫のリュックの異常な重さ。カメラに三脚 ご苦労様です。私のリュックは非常食と自分の物だけです ハイ。それでも量ってみると20kg近くありましたヨ。
高天原温泉は時間を区切って男女交代に入浴。私、湯の花を知りませんでした。
湯船に浮かんだおびただしい白いものを男どもの垢だと思い気味悪くて浸かれませんでした。スコップ持って上部で温泉を掘って入っている人もいました。常連さんでしょうね。
高天原はやはり奥深い秘境。
池塘のまわりがワタスゲで真っ白になった頃にもう一度訪れてみたいものです。
祖父岳頂上付近の昼食時 隣の人のラジオから「ニクソン失脚」が流れていました。後年北穂小屋で「寅さんが亡くなった」のうわさも耳にした事もありましたが、「山旅」と「出来事」が重なって相互にオーバーラップするようで、より記憶に刻まれます。
水晶岳を目の前にして雪渓の道を行く時 あまりの美しさに涙が溢れてきました。
高天原への登り 雲ノ平への登り そしてここまでかなり辛い登りの後に目にする美しさ。景色に涙したのはこれ一回きりです。以後風景に泣くほど感激したことはありませんが、稜線を空中散歩する時の爽快感、雄大な眺望はいつまでも目の奥、心の深くで甦ります。